1772年、ドイツ。法律を学ぶヨハン・ゲーテ(アレクサンダー・フェーリング)は、博士号取得の試験を受けるが、不遜な態度を非難され不合格、父親から田舎町ヴェッツラーの裁判所で実習生として働くように命じられる。上司のケストナー参事官(モーリッツ・ブライブトロイ)は、初対面からゲーテに厳しく接するが、陽気で自由奔放なゲーテは、同僚のイェルーザレムとすぐに仲良くなり、舞踏会へと繰り出し、そこでシャルロッテ・ブッフ(ミリアム・シュタイン)と出逢う。ある日、ゲーテは礼拝堂のミサで柔らかな朝の光に包まれて歌うロッテに再会、彼はその瞬間、まっさかさまに恋に落ちた。イェルーザレムと遠乗りに出かけたゲーテは、気が付けば、ロッテの住むヴァールハイムへ向かっていた。ロッテの妹や弟たちと庭を駆け回り、ピアノを弾き、共に歌い、すっかり打ち解けて楽しい時間を過ごすゲーテとロッテ。歌が得意で戯曲を愛し、舞台に立つことを夢見るロッテと作家になることを諦めきれないゲーテは、魂の深い部分でも共鳴し合うのだった。そんな折、ゲーテはロッテの強引な頼みに負けて、自作の詩を暗唱する。ロッテは感銘を受け、自信を失くしていたゲーテを心から励ます。翌日、ケストナー参事官がブッフ家を訪れる。ロッテを見そめたケストナーは、彼女の父に縁談を申し込んでいた。ロッテの心はゲーテの想いでいっぱいだったが、この縁組で家は安泰、弟たちも学校へ行けるというのだ。一方、優秀な仕事ぶりで、ケストナーに高く評価されたゲーテは、ケストナーからのプロポーズの言葉を相談される。まさか相手がロッテとも知らず、ロマンティックな台詞をアドバイスするゲーテ。ケストナーはゲーテの教えどおりロッテに求婚、ロッテは泣きながら承諾する……。ゲーテは何日もかけて作ったロッテの大好きな戯曲「エミーリア・ガロッティ」の紙劇場を届けるが、そこではロッテとケストナーの婚約祝賀会が開かれていた。打ちのめされたゲーテに追いうちをかける、人妻との恋に破れたイェルーザレムの自殺。ゲーテは猛然と小説を書き上げ、ロッテに贈る。「若きウェルテルの悩み」という題名のその物語を読み終えたロッテは、ある決意を胸にゲーテのもとへ向かうのだが……。