非行少年や不登校児の更生施設として全国に知れわたる、愛知県美浜市の戸塚ヨットスクール。そこには、家庭や学校では手に負えなくなった全国の少年少女たちが送りこまれ、日夜激しいスパルタ式ヨット訓練に励んでいた。そして今日もまた、一人の少年がはるばる東京から送りこまれて来た。少年の名は俊平(辻野幸一)。入校初日、校長(伊東四朗)のキックやパンチを食らい、檻の中にぶち込まれても、反抗を全く止めない手強い奴。「まるでウルフやなぁ」校長が思わずつぶやいた。俊平は、もはや“人”の心を失った凶暴凶悪な“狼(ウルフ)”なのだ。入校前の俊平は一日中部屋に閉じこもり、更には父親(平田昭彦)を絞め殺す寸前にまで家庭内暴力が悪化していた。何不自由しない裕福な家庭に育ちながら、何が彼をそこまで追い詰めてしまったのか。嫌々ながらも、訓練をスタートさせた俊平。壮絶なシゴキに耐えられず、裸で逃げ出した夜……。突然の仲間の死……。そして卒業してしまった仲間“アッコ”(横田ひとみ)への淡い恋心。様々な経験を積んだ俊平は、壮大な大海原に浮かぶ小さなヨットの上で再び“人”に戻ることが出来るのだろうか……。