ロシアの北極圏辺境の島の気象観測所で二人の男が黙々と働いていた。彼らの仕事は定期的に周囲の放射能を測定し、そのデータを本庁に通信することだった。それこそが彼らと外界を繋ぐたった一つの手段だった。長年、孤独な環境の中、ここで働くセルゲイ(セルゲイ・ブスケバリス)はこの仕事を非常に重要なものとして捉えていたが、一方、彼の新しいパートナー、バベル(グリゴリー・ドブリギン)はこの夏を観測所で過ごすことで申請してきた新人だった。ある日、セルゲイはバベルに観測を任せて、鱒釣りに出かけた。未熟なバベルは観測時間を逃した上、それを埋め合わせるために嘘の記録を作ってしまう。しかも、さらに悪いことに、本庁からはセルゲイ宛に悪い知らせが届けられてた。すっかり不安になったバベルは、戻ってきたセルゲイにそれら酷いニュースを伝えることが出来ない。しかし、真実はやがてセルゲイの知るところとなり、薄い霧とそそり立つ岩、砕ける波と容赦ない北極海が取り巻く荒涼とした土地で必然の結果が二人を待っていた。