まぶしいスポットライトの裏で、少女はがっくりと肩を落としていた。6年間、エースとして、選抜メンバーとして脚光を浴びながら、プレッシャーと強烈な孤独に向き合ってきたその華奢な体は、どれほどの重荷に耐えてきたのだろうか。傷つくとわかっていても、夢に向かい、ステージに上がっていく彼女たちが、手に入れたもの、失ったものとは何なのだろうか。シングルCDではミリオンセラーを連発し、コンサートは3日間で9万人を動員。『じゃんけん大会』などのイベントでさえ、チケットは瞬く間に完売する。テレビ、雑誌などで、AKB48を見ない日はないというほどの活躍を見せているが、表舞台の華やかさだけが彼女たちの本当の姿ではない。本作は、AKB48の転機となった激動の2011年に密着し、独占インタビューとともに、その光と影をカメラに収めていく。東京、グアム、台湾、シンガポール、そして東北各地へ分刻みで飛び回る彼女たちの息づかい、流れる汗とともに、その内面にまで迫っていく。東日本大震災を経て、アイドルとして、人間として自分たちにできることを模索する彼女たちの瞳にあふれる、涙の意味とは。彼女たちは何を思い、どこへ向かおうとしているのか。