2008年8月。クセーニア(スベトラーナ・イヴァーノヴナ)は、幼い1人息子チョーマ(アルチョム・ファジェーエフ)とともにモスクワで暮らすシングルマザー。彼女の目下の悩みはエリート銀行マンの恋人エゴール(アレクサンドル・オレシコ)との恋の行方だった。息子にエゴールを新しい父親として受け入れてもらおうと必死のクセーニアに対して、両親の離婚に傷ついていたチョーマは、空想の世界で自分だけに見えるロボットと遊ぶようになっていた。そんなある日、クセーニアに、元夫のザウール(エゴール・ベロエフ)から電話が入る。軍人のザウールは南オセチアのシダモンタ村で平和維持軍の任務に就いており、村の自然の中でチョーマとともに過ごしたいという。しかし、国境近くに位置する南オセチアは、いつグルジア軍が侵攻してくるか判らない危険地帯。悩むクセーニアだったが、その間、エゴールとバカンスを楽しむことができるという打算も働き、ザウールの頼みを聞き入れる。チョーマがシダモンタ村へ旅立った8月7日。グルジア軍がオセチアに侵攻したというニュースが飛び込んでくる。息子を救出するため、南オセチアに向かうことを決意するクセーニア。現地では、ザウールがグルジア軍の砲撃によって死亡。チョーマは戦場に1人で取り残されてしまう。8月8日。戦火を潜り抜けて息子の元へ向かうクセーニアだったが、シダモンタ村に近づくにつれて戦闘は激化し、先に進むことができない。その時、彼女の前にロシア軍の偵察部隊指揮官リョーハ(マクシム・マトヴェーエフ)が現れる。クセーニアの情熱に打たれた彼は、部隊とともに彼女を息子のもとまで送り届けることを約束。銃弾が飛び交う戦場を駆け抜けるクセーニア。しかし彼女は、チョーマが目にした事態をまだ知らなかった。そこは、巨大ロボットと軍用兵器が戦闘を繰り広げる、常識を越えた戦場だったのだ……。