若い科学者フランケンシュタインは生命の復活という問題に対して狂気的な研究を続けていた。アルプス山麓の古時計台の研究室は彼にとっては美しい許嫁エリザベスよりも強い魅力を有していたのである。夕暮れの墓地をフランケンシュタインは一人の助手と共に新しい材料たる死体を探し、脳髄をくだいた死人を見つけ出し更に完全な脳髄を求めるために努力していた。許嫁エリザベスは別荘で彼の狂わしい研究に愛のない日常をかこって友人ヴィクターと共にフランケンシタインの大学当時の教授ワルドマン博士を訪ね、彼を研究室から呼び戻そうとした。ワルドマン博士の研究室に忍び込んだ助手はアルコール漬けの脳髄を盗み出す際、一つの瓶を落とし犯罪者の脳髄を入れた瓶だけフランケンシュタインの許に持ち帰ったのであった。フランケンシュタインは助手の持ってきた脳髄を死体に手術し、高圧電力を以って死人再生の大実験を試みようとした。暴風雨を冒してエリザベス、ヴィクター、ワルドマンの一行は古い時計台の実験室に到着した時、彼はおりからの大雷電を利用した研究の最中で、それを見た一同は驚倒するほどであった。この時、雷鳴はげしく時計台に落雷し、その電撃はフランケンシュタインの研究を成功せしめた。死体の黒い手は白くなり動き始めた。その魔人は実験室の穴倉に太い鎖でつながれることになった。ワルドマン博士はフランケンシュタインの悪夢をさまそうとして彼と激論した時、突然地下室から怖ろしい叫び声が聞こえてきた。彼らが走って行って見るとその魔人は助手を殺し、憎悪に燃えた眼差しを二人に向けて飛びかかってフランケンシュタインに一撃を加え倒してしまった。この瞬間、ワルドマン博士は魔人の腕にすばやく強烈な薬品の注射を行い魔人を眠らせてしまう。ワルドマン博士はフランケンシュタインの父、男爵にすすめてエリザベスとの結婚を急がせた。フランケンシュタインが悪夢から醒めたように朗らかにエリザベスを抱く間もなくヴィクターがワルドマン博士の惨殺を報じてきた。彼は魔人を捕らえんと立ち上がる。魔人は既にエリザベスを襲い殺してしまう。そして湖畔に遊ぶ無心な幼児たちの生命をさえ奪った。フランケンシュタインは農夫の一隊を指揮し、魔人を捕らえんものと探し廻り、その内、一隊と離れてしまった時、魔人を発見した。彼は炬火を魔人につきつけてその猛襲を防いだがついに大格闘となり、魔人の打撃に倒されてしまった。魔人がフランケンシュタインをかついで水車小屋に入る姿を見た農夫達は小屋を囲んで火を放った。魔人は水車小屋の頂上から地上にさわぐ群衆をめがけてフランケンシュタインを投げつけた。そして猛火の頂に狂い暴れていた。地上ではわが子フランケンシュタインの死体を抱いて男爵は涙に暮れていたのである。