17歳の高校生・ミミ(白波瀬海来)は、東京・阿佐ヶ谷で両親との3人暮らし。抜群の記憶力で成績はいつもトップクラスの優等生だが、周囲からかなり浮いた存在としてあまり居心地の良くない日々を過ごしている。そんな彼女は心の隅でいつも“本来の場所、本当の自分”というものを探していた……。ある日の下校時、ミミは巨大送電線の下で雷に打たれてしまう。その場に居合わせた雷神のらーさん(長森雅人)との出会いをきっかけに、風神のふーさん(飯田孝男)や阿修羅のあーちゃん、大黒天の大ちゃん(山崎恵史)、海神のうみさん(川津祐介)、田の神のたーさん(山谷初男)、芸能の神のミッキー(なんきん)という摩訶不思議で少々くたびれた神様たちと行動を共にすることになるミミ。そんな中、特別養護老人ホームで暮らす静おばあちゃんが、大事にしていた九官鳥を失ってしまう。ミミと神様たちは“神様的手段”を使って1940年代の阿佐谷にタイムスリップ、歌う九官鳥“ハクシ”を探す旅に出る。16歳の静(金野美穂)と詩人・北原白秋との出会いが、内に籠りがちな少女のアイデンティティに揺さぶりをかけていく……。そしてミミの運命が変わった“あの日”。東日本大震災の3日後、東京にセシウムの雨が降り注いで以来、ミミは食事のたびに舌がチクチクと痛む異変を感じていた。その痛みの原因を突き止めようと、神様たちとの冒険はセシウムのホットスポットと放射能を巡るものへと変わっていく……。