勢津ユリ(三津谷葉子)と夫の千紘(斎藤工)は、臨月を迎えた千紘の妹・九美(杉野希妃)の出産に立ち会うため、バリにやってくる。異国で出産する九美にとって兄と看護師であるユリの存在は心強かったが、心臓に重い病を抱える千紘にとってこの旅は危険を伴うものだった。彼らは九美の夫・ルーク(トム・メス)とともにバリ観光をするが、カフェで千紘が何気なく発した「日本に帰りたくない」という一言をきっかけにユリと千紘の口論が始まる。看護師であるユリに対する「人の死に慣れたお前が嫌なんだ」という千紘の言葉が決定的となり、ユリはその場を立ち去る。バリの広大なライスフィールドをさまよい、歩き疲れて座り込んだユリの傍らに、先ほどのカフェにいた日本人男性・木村(高嶋宏行)が車を停め、クタへ誘う。誘いに応じてナイトクラブへ行ったユリは、大音量で鳴り響く音楽や雰囲気に圧倒されるが、次第に開放感を感じ始める。そんなユリに地元ビーチのジゴロ・ワヤン(コーネリオ・サニー)が熱い視線を送るが、ユリはワヤンを避ける。クラブの通路では、木村が地元の青年・イキ(松崎颯)と激しく絡み合っていた。その光景に魅入るユリの背後から、ワヤンが強引に彼女の体を奪おうとする。ユリは必死に抵抗して逃げるが、その心には怯えと共に突き動く欲動の感覚が残る。翌日、ユリは千紘とのわだかまりを感じながらも、ワヤンと再会する……。