両親が草原で放牧をしているため、兄のバーテル(グオ・ソンタオ)は祖父母のもとで暮らし、弟アディカー(タン・ロン)は学校の寮に住んでいる。兄は弟が母親の愛情を独り占めしていると思い込み、弟は兄ばかりが目をかけられていると感じ、互いに嫉妬し合っていた。夏休み。父が迎えに来なかったことから、アディカーはバーテルを説得して両親のもとに帰る旅に出る。干上がった河の跡を道しるべに、広大な砂漠を幼い兄弟はラクダにまたがりたどって行く。痩せて枯れてしまった大地、見捨てられた廃村、そして崩壊した遺跡や回廊……。いつしか二人の旅は、彼ら“ユグル族”としてのアイデンティティーの探求へと変わっていくのだった……。