娘・望月珠恵(西田エリ)と二人暮らしの母・千恵子(内田春菊)は、夫に捨てられたことで心を病み、珠恵に依存している。珠恵もまた、幼い頃に母の連れ込んだ男に迫られて以来男性不信で、勤務先の社長・沼口(仁科貴)からの見合い話にも興味が持てない。さらに雑用程度の社員を置いておく余裕はないと嫌味を言われ、行き場のない思いを抱えていた。ある夏の日、珠恵がリーダーを務めるガールキャンプクラブ“ウェンディクラブ”が、天狗の山にキャンプに行くことになる。珠恵が支度をしていると、自分を捨てて逃げていくと勘違いした千恵子に罵倒され、思わず手にした包丁を振り上げてしまう。一方、沼口の娘で中学生のマナ(小林歌穂)は、友人の安西シオリ(安保彩世)にキャンプに誘われる。2人きりだと思っていたマナは、ウェンディクラブの活動と知り落胆する。珠恵を中心に、小学6年生の宇川ミズキ(うらん)、10歳のもも(市川月奈)の5人でキャンプに出発する。キャンプ地で一行がキャンドルを囲むと、シオリが天狗の山の伝説を語り出す。昔、鬼婆と間違えて母親を殺してしまった若者がこの山で天狗となった。彼は今も母を想い泣き暮らしており、心に隙間のある者が天狗岩の前を通ると、天狗にさらわれると言われている。下山しながら天狗岩の前を通った一行は、立ち入り禁止区域に入って遭難してしまう。母のことで苛立つ珠恵は、マナとの衝突をきっかけにメンバーとの関係にも亀裂が入る。そこに、青年・椿(中山龍也)が現れる。最初は恐怖心を抱いていた珠恵たちだったが、何かと世話をしてくれる椿に次第に心を許す。やがて、椿の存在が心の隙間に入り込んでいった彼女たちは、心に秘めていた想いをさらけ出していく。彼女たちは無事に下山できるのか? そして物語は、意外な結末を迎える……。