2014 年初夏。映画の撮影に備え、ほぼ演技未経験の彼女たちは、超多忙な生活を送る中、映画の原作者でもあり演出家の平田オリザ氏のワークショップを受け、”演じる”ということを徹底的に体に叩き込まれる。セリフ、動き、感情をコントロールしながらも、当然のごとく自然体でなければならない。慣れないことばかりの連続は、自分との戦い。不安を抱えながらも、その日、撮影初日がやってくる。普段は何万人もの観客を前にパフォーマンスをする彼女たちでも、いつもとは違う緊張感のもと一台のカメラの前に立つ。悪戦苦闘しながらも演じることの奥深さを身をもって感じていく日々。笑顔の裏にある涙、悔しさ、葛藤……。彼女たちが駆け抜けたひと夏の、もう一つの姿を追ったリアルな物語。映画界、演劇界のトップランナーたちと、女優としては未知数なももクロ。そこに化学反応が生まれた一つ一つの瞬間を、約400時間に渡り密着したカメラが記録していた。