シェリル(リース・ウィザースプーン)は、スタートしてすぐに“バカなことをした”と後悔していた。今日から1人で、砂漠と山道が続く1600キロの“パシフィック・クレスト・トレイル”を歩くのだが、詰め込み過ぎた巨大なバックパックにふらつき、テントを張るのに何度も失敗。その上、コンロの燃料を間違えたせいで、冷たい粥しか食べられない。この旅を思い立った時、彼女は最低な日々を送っていた。どんなに辛い境遇でも、いつも人生を楽しんでいた母(ローラ・ダーン)の死に耐えられず、優しい夫を裏切っては薬と男に溺れる毎日。遂に結婚生活も破綻した。このままでは残りの人生も台無しだ。母が誇りに思ってくれた自分を取り戻すために、一から出直すと決めたのだ。だが、この道は人生よりも厳しかった。極寒の雪山や酷暑の砂漠に行く手を阻まれ、食べ物も底を尽くなど、命の危険にさらされながら、自分と向き合うシェリル。果たして彼女が、1600キロの道のりを越えて目にしたものとは……?