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ボクサー(1970)

  • ぼくさー
  • The Great White Hope
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  • 平均評点

    69.8点(25人)

  • 観たひと

    38

  • 観たいひと

    7

  • レビューの数

    9

基本情報

ジャンル ドラマ
製作国 アメリカ
製作年 1970
公開年月日 未公開
上映時間 0分
製作会社 ローレンス・ターマン・フィルム作品
配給 20世紀フォックス
レイティング
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ
メディアタイプ
音声
上映フォーマット

スタッフ

キャスト

解説

黒人で世界初の重量級拳闘チャンピオンになったが、白人女性と結婚したため、徹底的に米国社会からハジキ出される男を描き、人種差別に関する白人黒人両極の心情を描く。製作は「卒業」のローレンス・ターマン、監督は「ハッド」「男の闘い」のマーティン・リット、ハワード・サックラーが同名舞台劇を作者自ら脚色、撮影は「俺たちに明日はない」のバーネット・ガフィ、音楽を「マイラ」のライオネル・ニューマン、美術は「クレオパトラ(1963)」のジョン・デ・キュア、衣装を「バージニア・ウルフなんかこわくない」「王様と私」のアイリン・シャラフ、編集をウィリアム・レイノルズがそれぞれ担当。出演は舞台劇の主役の延長でジェームズ・アール・ジョーンズ、ジェーン・アレクサンダー。その他、ルウ・ギルバート、ジョエル・フルーレン、「特攻大作戦」のロバート・ウェバー、「招かれざる客」のベア・リチャーズ、ラリー・ペネル、ジム・ビーティなど。

あらすじ

オーストラリアで世界ヘビー・ライト級チャンピオンである実力を示した黒人のジャック・ジェファーソン(ジェームズ・アール・ジョーンズ)は、アメリカに帰る船の中で白人女のエレノア(ジェーン・アレクサンダー)と知り合い、楽しい時を過ごして恋におちる。エレノアは彼が黒人であることを意に介さなかったが、マネージャーのゴールディ(ルウ・ギルバート)は2人の仲を喜ばぬどころか、ショックとして受けとめる。ゴールディは、ジャックの実力が世界チャンピオンとして無敵であることが、白人にとって大きなシャクの種になっているところへもってきて、白人との恋愛は、彼らの反感に油を注ぐようなものであり、次の選手権試合への大きな災いになることを恐れたのだった。黒人ジャックに対する“偉大な白人の希望”は、全国に渡って探されるが誰も出ず、結局引退していたブラディ(ラリー・ペネル)が無理やり引っ張り出される。しかし、ジャックはこれを叩き潰した。押しも押されぬチャンピオンになった彼は、シカゴにカフェを開き、富と、白人の女エレノアを誇示する派手な生活を始めるが、仲間の黒人たちには喜ばぬ者もいた。“白人のものを欲しがり、白人のマネをする黒人だ”というのだ。まして、白人社会はそれを許すはずがなかった。彼らは近年、都会へ、南部の農場から無学な黒人たちが流れ込んでくることを心良く思わず、またジャックのセンセーショナルな態度が彼らの権利意識を増長させるのではという危険を嗅ぎとり、ディクソン(ロバート・ウェバー)たちが中心となり、白人女と肉体関係を結んではならないという州治安公序良俗法に引っかけたデッチあげの罪を着せる。結局ジャックは母(ベア・リチャーズ)に別れを告げ、エレノアとトレーナーのティック(ジョエル・フルーレン)とともに海外に亡命せざるをえなくなる。流浪の旅は始まった。しかし、至るところにアメリカ社会からの白い手は伸びて、彼が試合をするチャンスをぶち壊す。月日は流れ、ジャックのふところは寂しくなり、ブタペストではエレノアとティックと組んで、“アンクル・トム”の茶番劇を安酒場で演じるまでになった。彼からタイトルを取り戻したいアメリカからは、帰国して八百長試合に負ければ罪を軽くしてやるとたびたび言ってくるが、彼は聞き入れなかった。“腕でこい”それがチャンピオンのプライドなのだ。そうするうちにジャックとエレノアの折り合いがしっくりいかなくなった。ジャックは自分の苦境が彼女をどんなに苦しめているか悩み、エレノアは根も張りもつき果て、ジャックが潔く屈服し、タイトルを返上して、地味だろうが平和な生活を始めたいと考えていた。彼らはメキシコにまで流れた。あと一歩でアメリカだ。しかし、2人の関係はついに爆発点に達する。ボロボロにまでなってもお互いを愛し合うという一点で繋がっていたのだが、駄目だった。エレノアは絶望して井戸に身を投げた。彼女の死はジャックを打ちのめした。彼はアメリカ当局からの八百長試合をキューバですることを受諾する。“偉大な白人の希望”はキッド(ジム・ビーティ)という大男だった。なんとしてもタイトルとメンツを取り戻したい当局が、八百長の試合をもくろんだのだ。キッドは若く、強かった。ジャックは前半からメッタ打ちにされる。流浪の旅のブランクは、ジャックの誇りより大きかったのだ。レフリーはとうに引退したブラディだった。八百長の必要はなかったとディクソンたちが思ったとき、ジャックは猛反撃に出る。血まみれになり、キッドはグラついた。もうジャックの頭に八百長のことはなかった。殺されたっていい。俺はチャンピオンだ。あと1発、1発で倒せる!しかし、ジャックは老いていた。KOパンチを決める前に息切れするのだった。若さはキッドの回復を呼び、ジャックは叩きのめされる。白人たちの大歓声をあとに、ジャックはリングを降り、新米の記者が彼に尋ねた。なぜ、あんなに反撃できたんだい?ジャックは腫れ上がった顔の下から答えた。分からない。誰か教えてくれ、俺が初めて通る道なんだから…。

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