大阪に生まれ、6歳からバレエを始めた西野麻衣子は15歳で親元を離れ、名門英国ロイヤルバレエスクールに留学。19歳でノルウェー国立バレエ団に入団し、25歳で同バレエ団東洋人初のプリンシパルとなった。172cmの長身と長い手足から繰り出されるダイナミックかつエレガントな舞いは人々を魅了し続けているが、そんな彼女の素顔は大阪弁バリバリのイキのいい女性だ。麻衣子の母・衣津栄は、キャリアウーマンとして働きながら3人の子供を育て、麻衣子が世界でいちばん尊敬する存在だという。オペラハウスの芸術監督を務めるノルウェー人の夫・ニコライと暮らす麻衣子は、トップダンサーとして最も充実した時期を迎えていた。だがまだまだ若手にトップは譲れないが、いつかは憧れのママになりたいという気持ちもあり、その心は出産とキャリアの間で揺れていた。そんな矢先、予期せず子供を授かり、めでたく出産。しかしすぐに麻衣子のプリンシパル復帰への挑戦が始まった。ニコライは育休を取って麻衣子の背中を押す。復帰作は「白鳥の湖」。一人二役を演じ分け、連続32回転の難関が待ち受けるクラシックバレエでも指折りの難役である。「相当タフなチャレンジ」と周囲がハラハラ見守る中、果たして麻衣子はこの再びの白鳥を最後まで踊り切ることができるのか……。