タクシーに乗って目的地へ急ぐ全身真っ赤なコスチュームの男。運転手に“デッドプール”と名乗ったその男が到着したのは、ハイウェイの上。デッドプールは、そこで宿敵への復讐を果たそうとしていた……。その2年前。かつて特殊部隊の有能な傭兵だったウェイド・ウィルソン(ライアン・レイノルズ)は第一線を引退後、好き勝手に悪い奴を懲らしめ、金を稼ぐというヒーロー気取りの生活を送っていた。そんなウェイドが一夜の相手として知り合ったのが、娼婦のヴァネッサ(モリーナ・バッカリン)。最初のベッドインがあまりに完璧だったため、2人は1年間の同居を経て結婚を決意する。幸福な未来が待っていると思ったのも束の間、原因不明の痛みに襲われたウェイドに医師が下した診断は、全身にガンが転移しているという事実だった。余命わずかとなり、激しく落ち込むウェイド。そこへ、末期ガンが治療できると声を掛けてきた男がいた。ウェイドはその男から、ある施設へ案内される。そこで行われていたのは、余命宣告を受けた者たちに人体実験を施し、肉体改造を経て戦闘マシンとして売り飛ばすという恐ろしいプロジェクトだった。施設を仕切るのは、自らも無敵の肉体を手に入れたエイジャックス(エド・スクライン)。様々な実験を重ねて改造されたウェイドは、やがてどんな攻撃を受けても回復できる肉体を手に入れる。怒りが収まらない彼はエイジャックスとの激しい戦いの末、施設から逃亡。だが、実験で全身の皮膚がただれてしまい、ヴァネッサに素顔を見せる勇気がなかった。その顔を隠すため、自ら作ったマスクを被って“デッドプール”と名乗り、エイジャックスを探し始める。元の肉体を手に入れ、もう一度、ヴァネッサと幸せな生活を送りたい……。ウェイド=デッドプールは強い感情に突き動かされ、エイジャックスへの手がかりを見つけては、次々と敵を倒してゆくが……。