貧しい汚れを知らぬ乙女アンジェラは母親と共にナポリの裏町に住んでいた。アンジェラは瀕死の母に薬を買い与えようと思ったが金がなく、思案つきて売春婦のさまを見よう見まねにまねして通りを歩いた。が、ふとしたはずみから思わずして掏摸と警官に思われ、捕らえられて牢獄に送られることになった。が、その途中彼女はのがれて家に帰ると既に母親は死んでいた。警官に追われ追われたアンジェラは旅回りの曲芸団にかくまわれることとなり、以来その一座に働く身となった。その後、程経てアンジェラが花形として一座の人気を集めていた時、彼女は放浪の画家ジノと知り合いとなった。ジノは彼女の美に打たれ、この一座に加入し、彼女をモデルとして画を書いていた。ある時、アンジェラは軽業中墜落して足を挫いたので、一座と別れジノに看護せられながら共にナポリに戻って行った。ジノの画は完成したが彼は金に困って僅かな金で心のよくない画商に売ってしまった。が、2人の苦しい生活もようやくにジノの天才が認められて寺院の壁画を描く大任を委嘱せられてから光明を認めて来た。が、その時、昔アンジェラを拘引した警官が彼女を捕らえに来た。アンジェラはジノに己の身の不名誉を打ち明けて彼の心乱すに忍びず、1時間彼と別離の涙を隠した楽しい宴を過ごした後に警官にひかれて行った。が、突如の理由もない彼女の失踪はジノを失意の人とした。彼は何も仕事が手につかなかった。そして壁画も放擲してただただ沈淪して行った。刑期を終えたアンジェラはジノを求めその行方を探ねて廻ったが探ね得ずに、霧深い海辺をさまよう時、ゆくりなく放浪のジノと行きあった。裏切られたと思ったジノは彼女を絞め殺そうとした。が、すべては氷解する時が来た。抱き合った2人の前途には光明があった。