オランダの貴族で大富豪の一人息子ヤーコブ(イェルン・ファン・コーニンスブルッヘ)は広大な敷地にあるお城に住み、アストン・マーチンなど高級車を何台も所有しているが、一切感情を持ったことがなく、楽しみを感じない人生に嫌気がさしていた。母親の葬式を済ませた彼は自殺を試みるが、常に邪魔が入り死ぬことができない。そんなとき、偶然拾ったマッチ箱に記された謎の代理店を訪ねてベルギーへ行く。その店は“最終目的地への特別な旅”のプランを提案する旅行代理店だったが、それは“あの世への旅”であり、事故に見せかけた自殺幇助のサービスを提供しているのだ。ヤーコブは喜んでサービスを依頼し、“いつ、どこで、どうやって死ぬか分からないサプライズコース”を申し込む。すっきりした気持ちで棺桶を物色していたヤーコブは、同じコースを申し込んだというアンネ(ジョルジナ・フェルバーン)と出会い、澱んでいた彼の日々は少しずつ色づき始める。もう少し生きていたくなったヤーコブとアンネは、謎の代理店の激しい追跡をかわしながら逃避行の旅に出るが、さらに思いもよらない最大のサプライズが二人を待ち受けていた……。