閉館の日が近づいてきた映画館。映写技師の沢村貞一(大西信満)が狭い映写室からスクリーンを見つめていると、映っているはずのない黒ずくめの少女(イオリ)が画面に見え始めた。訴えかけるように沢村を見つめる少女。しかし上映後にフィルムチェックをしても、あの少女はやはりどこにも映っていない。またある日、上映後の客席にあの黒ずくめの少女の姿があった。沢村は少女を映写室の控室に匿うが、気づくと少女は消えてしまっている。どこを探しても少女はおらず、街をさまよう沢村。やがて少女の幻影に導かれるように川原にたどり着いた彼の脳裏に、失った記憶が蘇っていく。少女の頭には、禍々しい花・華魂が咲き……。