14歳。子供でもなく、大人でもない狭間の時期。画家を目指すダニエル(アンジュ・ダルジャン)は、たくさんの悩みを抱えていた。中学生になっても女の子のような容姿で、クラスメイトからは“ミクロ”と呼ばれてバカにされ、恋するローラ(ディアーヌ・ベニエ)からは全く相手にされない。おまけに母親は過干渉で、兄貴は暴力的なパンク野郎。誰も本当の自分を理解してくれない……。そんなある日、ダニエルのクラスに風変わりな転校生がやって来る。名前はテオ(テオフィル・バケ)。目立ちたがり屋で、自分で改造した奇妙な自転車を乗り回し、家業のせいで身体からガソリンの匂いを漂わせている。周囲から浮いた存在のダニエルとテオは意気投合し、すぐに親友になる。学校や家族、仲間など周囲が2人を枠に当てはめて管理しようとする息苦しく、うんざりするような毎日。そんな日々から脱出するため、彼らは“ある計画”を思いつく。それは、スクラップを集めて“夢の車”を作り、夏休みに旅に出る事だった……。