パキスタン・イスラム共和国の街ラホール。インド亜大陸で千年以上に亘り芸術の中心だったが、1970年代末からイスラーム化が進みタリバンによって音楽を禁じられ、いまでは音楽ファンはほとんど消えてしまった。そんな中、世間から忘れ去られた伝統音楽家たちが、自分たちの音楽と聴衆を取り戻すため、畑違いのジャズに挑戦し世界に打って出る。パキスタンから現れた異色のジャズバンド“サッチャル・ジャズ・アンサンブル”は、伝統楽器を用いてジャズの楽曲『テイク・ファイヴ』をカバー。そのプロモーション映像はまたたく間に世界を駆け巡り、100万を超えるアクセスを記録する。その後、トランペット奏者のウィントン・マルサリスが、彼らとセッションすべくニューヨークへ招待。ところがリハーサルで両者は噛み合わず、“サッチャル・ジャズ・アンサンブル”は本場ジャズの厳しい洗礼を受けてしまう。果たして彼らは無事本番を迎えることができるのか……。