ゾー・ロバートという娘堤琴家とクレイ・ワーウィックという絵描きとはある一軒の下宿家に住んでいたが、二人共天才を世の中から認めて貰えなかった。ゾーが音楽会煮出る衣類がない時クレイは一工夫凝して彼女に綿布を纏わしてやった。所が彼女の音楽より彼女の衣装が好評を博した。ここから彼女は思いつきクレイと二人で、丁度彼女の友人の立派な部屋を夏中使う事を許されたを幸い、衣装屋を始めた。注文殺到したが一向その集金が渉らない為にこの新事業は忽ち頓挫し、二人の前途もあたら真暗闇となったがロシアの美術の衣装を誂えにきてクレイの絵を見、ゾーの堤琴を聞きその天才を見出した。かくて二人は幸福な身となった。