タイの首都バンコクにある日本人が多く集まる歓楽街タニヤ通り。人気店・人魚のNo.1であるラックは、タイの東北にあるイサーン地方から出稼ぎに来て5年が経つ。日本人のヒモ・ビンとダイヤの首輪をさせた犬を抱え高級マンションで暮らす一方で、ラオスとの国境を流れるメコン川沿いのノンカーイ県に住む家族に仕送りをしていた。実母とは確執が絶えないものの、種違いの弟を溺愛している。ある晩、謎の裏パーティーで5年前に付き合った初めての恋人オザワと再会。元自衛隊員のオザワは、今ではバンコクで根無し草のように暮らしていた。そんなオザワに、元上官で今はバンコクで店を経営する富岡はラオスでの不動産調査を依頼。ラックとオザワはそれぞれ複雑な思いを胸に、バンコクを逃れるようにノンカーイへと向かう。