日本初の女性報道写真家・笹本恒子と、戦前から新聞記者として活躍を続けるむのたけじ。二人は同じ時代を生き、100歳を超えてなお現役として情熱を燃やし続けている。1914 年生まれの笹本は、作家、芸術家、社会運動家、科学者らの姿や存在感あふれる女たちの雄姿、長らく抑圧されていた女性の新しい輝きを撮ってきた。1915 年生まれのむのは、戦争協力の記事を書いた責任を感じて1945年8月15日に新聞社を辞めた後、ふるさとの秋田県横手で週刊新聞『たいまつ』を発行。自由を旗印に新聞人としての信念を貫き、平和を訴えた。今も現在進行形と語る笹本。今が人生のテッペンと言うむの。二人はフリーランスとして日本独特の狭い価値観と距離を置いて人々の日常に寄り添ってきた。笹本の写真とむのの言葉、二人の証言から、激しく揺れ動いた時代をしなやかに生き抜く二人の自由なスタイルに迫る。