パキスタンとインド、中国との国境付近にそびえるカラコルム山脈の麓には多くの部族がおり、絶え間なく衝突と融和を繰り返していた。紛争を収めるため部族長ドーレットが相手方の老部族長トールに友好関係の回復を申し出たところ、トールはその条件として10歳になるドーレットの娘ゼナブを自分の嫁に出すよう要求する。ドーレットの年の離れた妻アッララキもまたかつて15歳で嫁がされており、恐れていた事態が現実となったことを知ったアッララキは、ゼナブを守るために部族からの脱出を図る。掟を破り相手の誇りを傷つけ、家族に不名誉をもたらした者には、死が待ち受けていた。トールとドーレットの部族連合による追っ手が繰り出され、アッララキとゼナブは途中出会ったトラック運転手のソハイルに助けられながら決死の逃避行を続けるが……。