パレスチナ自治区のガザ。クリスティンが経営する美容院は女性客で賑わっている。離婚経験調停中の主婦、ヒジャブを被った信心深い女性、結婚を控えた若い娘、出産間近の妊婦……。各々が四方山話に興じ、午後の時間を過ごしていた。しかし、通りの向こうで銃が発砲されたことをきっかけに、美容室は戦火の中に取り残される……。極限状態の中、平静を装う女性たち。だが、マニキュアを塗る手は震え、小さな美容室の中でも諍いが始まる。すると1人の女性が言う。“私たちが争ったら、外の男たちと同じじゃない”。いつでも戦争をするのは男たち。オシャレをする、メイクをする、他愛ないお喋りを、他愛ない毎日を送る。それこそが彼女たちの抵抗なのだ。