イタリア・トスカーナ地方の緑豊かな丘の上にある診療施設。ここでは心に様々な問題を抱えた女性たちが、広大な庭で寛いだり農作業に勤しんだりしながら、社会に復帰するための治療を受けている。大声を張り上げて意気揚々と闊歩する自称・伯爵夫人のベアトリーチェ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)は、この施設の女王様のような存在だ。ある日、ベアトリーチェはやせ細った身体のあちこちにタトゥーが刻まれた若く美しい新参者ドナテッラ(ミカエラ・ラマッツォッティ)を目にする。虚言癖でおしゃべりなベアトリーチェと、自分の殻に閉じこもるドナテッラ。ルームメイトになった正反対の二人は、施設をひょっこり抜け出し、行き当たりばったりの破天荒な旅を繰り広げる。そんな逃避行の中で徐々に絆を深めていく二人。だが心に傷を負ったドナテッラの脳裏にある痛切な記憶が甦り、ベアトリーチェは施設に引き戻された彼女を救い出そうとするのだが……。