日本の主食はお米。しかし、いつからか朝食のスタンダードはパンに変わったともいえる。全国どこの土地でも、スーパーやコンビニに行けばたくさんのパンが並んでいる。東京にはたくさんのパン屋があり、店頭には数えきれないほどの種類のパンが並んでいる。お総菜パンや菓子パン、コッペパン、ぶどうパンが並ぶ昔ながらのパン屋もあれば、バケットやカンパーニュ、クロワッサン、ベーグルなどが並ぶベーカリーやブランジェリーがある。欧米の人気シェフが手掛ける店も多く進出し、様々なパン屋がひしめき合っている。その中に、他とは一線を画するパン屋がある。それは浅草、パンのペリカン。作っているのは、食パンとロールパンだけ。何も変わったことのない、たった二つのパンだけなのに、午前8時の開店前の店先には毎日、長蛇の列ができる。売り切れまでの間、店頭は賑わいを見せ、“まだ、ありますか?”というお客様の声が響く。そのままでも美味しい。トーストすると、もっと美味しい。バターやジャムを塗ると美味しさが倍増し、何かを挟めば味わいが大きくかわる。ペリカンのパンのまわりには、なぜかいつも幸せな空気がある。このパンはどのように作られているのか。パンに特に興味のなかった2人の男たちが、その唯一無二の存在に惹かれて映画を製作。出来上がってみると、男たちはいつの間にかペリカンのパンが大好きになっていた。パンのペリカンに隠されていたものとは……?