ある日突然、この土地に空港を作るから出て行きなさいと言われた農民たちの闘い。それが日本で最大の、そして最後の国家権力に対する抵抗運動、成田空港建設反対闘争である。1966年、千葉県成田市三里塚の農村地帯に巨大空港を作ることを決定した政府による暴力的な土地収奪に、農民たちは抵抗運動を開始。そこに農民たちの抵抗を支持し、三里塚を革命のための拠点とし、すべては変えられると信じていた若者たちが集まった。あれから50年。“サンリヅカ=三里塚”から毎日、海外旅行へと人々が出発つ。そこでかつて何があったのかを、多くの若者たちは知らない。成田空港のその下に“あの時代”が埋まっていることを忘れてしまった人も多い。三里塚現地責任者を務めた元中核派政治局員や、地元農家の若者と恋をして結婚した元ML派(共産主義者同盟マルクス・レーニン主義派)の女性、三里塚の空港反対運動を指導した農民運動家、用地買収を担当した元空港公団職員らがこれまで誰にも語らなかった“あの時代”と“その後の50年”の記憶を語る。