1878年、オペラ『フィガロの結婚』の話題で持ちきりのプラハで、上流階級の名士たちがモーツァルト(アナイリン・バーナード)をプラハに招き新作を作曲させようと決める。そのころ、三男を病で亡くし失意のどん底にあったモーツァルトは、陰鬱な記憶に満ちたウィーンを逃れるため、喜んでプラハに向かう。プラハにやってきたモーツァルトは、友人ヨゼファ夫人の邸宅に逗留して、『フィガロの結婚』のリハーサルと新作オペラの作曲に勤しみ、やがて、『フィガロの結婚』のケルビーノ役に抜擢された若手オペラ歌手のスザンナ(モーフィッド・クラーク)と出会う。モーツァルトが彼女の美貌と才能に魅了される一方、スザンナもモーツァルトが妻帯者と知りながらその天才ぶりに引きつけられる。二人は急速に距離を縮めるが、オペラのパトロンであり、猟色家との噂のあるサロカ男爵(ジェームズ・ピュアフォイ)もスザンヌを狙っていた……。