映像作品のみならず、絵画、写真、音楽など様々な方法で表現活動を続けているデヴィッド・リンチが手掛け、1990年に放送されると世界中でブームを巻き起こしたテレビドラマ『ツイン・ピークス』。その続編となる『ツイン・ピークス The Return』が第70回カンヌ国際映画祭で特別上映され、世界中の人々を再び熱狂させている。ハリウッドにある自宅兼アトリエで語られる、“恐怖が垂れ込める意地の悪い街”フィラデルフィアでの過去の日常のなかに潜む恐怖や苦悩は、まるでリンチ作品の登場人物のような姿で私たちの前に現れては消えていく。カメラの存在を感じさせない25時間もの親密なインタビューで、アメリカの小さな田舎町で家族と過ごした幼少期、アーティストとしての人生に憧れながらも溢れ出る創造性を持て余した学生時代の退屈と憂鬱、「マルホランド・ドライブ」美術監督である親友ジャック・フィスクとの友情、生活の為に働きながら助成金の知らせを待った日々、そして、当時の妻ペギーの出産を経てつくられた長編デビュー作「イレイザーヘッド」に至るまでを、奇才デヴィッド・リンチ自身が語る。