母の死から立ち直れない父親に悩む12 歳のヴィクトール(ジャン=スタン・デュ・パック)は、クラスの優等生マリー(アリックス・ヴァイヨ)に恋をしている。しかし、秀才のロマンからのアプローチもはねつける姿に落ちこぼれのヴィクトールはなす術もなく、遠くから見つめるだけだった。ところが、そんなマリーが「勉強を手伝ってあげる」とヴィクトールを家に招待してきた。親友のアイカムから「どん底のお前に最後のチャンスだ」と煽られ、「女は信用できない」と平静を装いながらウキウキと出かけるヴィクトール。マリーの指導のおかげで成績が上がってきたある日、マリーはプロのチェロ奏者になる夢を打ち明ける。そして、初めて手を繋いで下校すると、別れ際に頬にキスされてヴィクトールは舞い上がる。しかしマリーは音楽学校に行くために、徐々に視力が落ちる病気にかかっていることをひた隠しにしていた。それで“目”を必要としたマリーに利用されていたことに気づいたヴィクトールはショックを受けるが、マリーの情熱に動かされ、彼女の夢を叶えるため、二人の秘密の作戦を始める……。