大学の映画研究会に所属しながら、一本の映画も撮れないまま三年生になった岩切(岩切一空)は、先輩の橘(縣豪紀)が撮る新作の主演女優を探していたある日、同じく先輩の舞(半田美樹)から、4年に一度現れるという“新歓の怪談”を聞く。それは、“新歓合宿時に、黒くて長い髪、大きな目、透き通るような白い肌を持つ少女を見た者は、衝動的に映画を撮りたくなり、唯一、彼女に選ばれ、彼女を被写体に撮った映画は必ず大傑作になる”というものだった。だが、そこにはルールがあった。それは、“彼女のために脚本を書くこと”、“何があっても撮影を止めないこと”。さらにこの他、まだ誰も知らない三つ目のルールも存在するという。そして迎えた新歓合宿当日。岩切の目の前に現れる“怪談の少女”(南実櫻)。思わず“僕の映画に出てくれませんか?”と声を掛けてしまう。名乗らない彼女を、マンガから引用して“南”と名付ける岩切。こうして、自身の工房で特撮映画を準備していた優秀な後輩・小川(小川紗良)も巻き込み、“外の世界に憧れる少女の物語”の撮影が開始される。だが、あまりにシュールな設定や有り得ないセリフ回しなどについていけず、クルーたちは次第に違和感を覚え始める。それでも、何かに取りつかれたように撮影を続ける岩切。そしてその異変は、疑問を感じていた小川にも表れるようになり……。