1990年代、コマンド操作で複雑な駆け引きを可能にした『ストリート・ファイター2』の登場が、爆発的な対戦型格闘ゲーム・ブームを生み出した。2000年代に入ると大規模なゲーム大会が世界各地で開かれるようになり、日本発信のゲーム・カルチャーが、全世界の若者を虜にした。こうした背景のなか、誕生したのがプロゲーマーだ。ラスベガスで毎年開かれる最も権威ある格闘ゲーム大会・EVOで2度の連続優勝を果たした梅原大吾は、ビースト(野獣)というあだ名を持ち、プロゲーマーとして世界中のファンから絶大な人気を誇っている。そんな大吾に強いライバル心を燃やす若きプレイヤー、ももちは、恋人でプロゲーマーのチョコブランカとともに、格闘ゲーム界の頂点を目指す。さらに、アメリカ、フランス、台湾と世界各国の選手など、ワールドワイドなストーリーが展開する。大人たちからは理解されない職業ゆえ、プロゲーマーは常に社会の白い目とも闘っている。葛藤しながらも格闘ゲームに生きる彼らは、時代の寵児か、社会のはみ出し者か……。日本と台湾による国際共同制作で、日本人、台湾人、オーストリア人、ドイツ人という国籍を越えたチームが1年以上に渡る撮影期間を費やし、プロゲーマーたちの光と影に密着した。