ドイツ・ハイリゲンダムの空港に、イタリア人修道士ロベルト・サルス(トニ・セルヴィッロ)が降り立つ。迎えの車に乗った彼は、バルト海に面したリゾート地の高級ホテルへと向かう。ここではG8の財務相会議が予定され、世界市場に多大な影響を与える再編成の決定がくだされようとしていた。それは貧富の差を残酷なまでに拡大し、特に発展途上国の経済に大きな打撃を与えかねないものであった。その会議の前夜、天才的なエコノミストとして知られる国際通貨基金(IMF)のダニエル・ロシェ専務理事(ダニエル・オートゥイユ)は、8カ国の財務大臣とロックスター、絵本作家、修道士という異色な3人のゲストを招待して自身の誕生日を祝う夕食会を催す。会食後、サルスはロシェから告解がしたいと告げられる。告解とは、司祭に自らの罪を明かす行為である。翌朝、ビニール袋をかぶったロシェの死体が発見される。自殺か、他殺か。警察の極秘捜査が続けられるなか、告解を受けたサルスは、戒律に従って沈黙を続ける。間近に迫るマスコミ向けの記者会見。ロシェの告解の内容をめぐり、各国財務相の政治的駆け引きに巻き込まれたサルスは、ロシェの葬儀で自らの思いを語り始める……。