芝居が大好きな9歳の少女アンブルは、肺動脈性肺高血圧症を患っている。可愛い水色のリュックの中には、狭くなった肺動脈を拡げる薬剤を定期的に静注するポンプが入っている。「運動はあまりしてはいけないのだけれど、なんとかやっている。だって、人生を楽しんでいるから」とアンブルは笑顔で語る。神経芽腫(骨髄)を患うサッカー好きな5歳の男の子カミーユ。パリ郊外のサッカークラブに入っていて、パパとの日々の練習を欠かさない。コートでは、走って攻めて限界までプレーする。とはいえ、すべては体調次第だ。胸腔内の交感神経節から発生した神経芽腫を患う8歳のテュデュアルの目の色はグリーンとブラウン、左右で異なっている。3歳の時の腫瘍摘出手術が原因で色が変わったことを自ら説明する。脊髄腔内に詰まった腫瘍を取り除く大手術をしたのだという。アルジェリア生まれで数年前に治療のためにフランスに移住してきた7歳のイマド。慢性腎臓病から腎不全、腹膜透析をしている。自身の病気についても深く理解し、誰に対しても自らの言葉で分かりやすく語ろうとする。8歳の男の子シャルルは、表皮水疱症というとても肌が弱い病気のため、身体を包帯で覆っている。表皮と真皮をくっつける接着剤の役目をしている蛋白質が先天的に欠けているか少ないために、皮膚に水疱ができたり剥がれたりするのだ。平日は病院で過ごし、週末は家族が待つ自宅へ。病院ではいつも親友のジェゾンと一緒で、廊下には二人の笑い声が響き渡る……。