太陽が三輪山から上り、二上山に沈む奈良。この地には、1300年以上の歴史を誇る寺があり、そこに祀られる曼荼羅を一夜にして織り上げたという姫の伝説があった。その姫の生まれ変わりである香奈(陽月華)は、平凡な家庭で育つが、両親に画家の夢を拒絶されたことをきっかけに、定職にも就かず、38歳となった今も実家暮らし。そんなある日、結婚して家を出ていた妹の暁美(佃井皆美)が、娘の樹月(木下彩音)を連れて出戻ってくる。香奈のニートな生き方を受け入れられない暁美が、家族のあり方に意見したことから、生活は混乱。そして、香奈の前には謎の青年が現れる。この出会いをきっかけに、再び画家の世界へと足を踏み入れる香奈。だがそれは、街全体を巻き込む大騒動を引き起こす。やがて、香奈の中に眠る姫の魂が目覚めるが……。