第二次世界大戦末期、アメリカ軍が上陸した沖縄戦では、民間人を含む24万人あまりが死亡した。1945年6月23日、第32軍・牛島満司令官が自決し、軍司令部は消滅。ところが、北部ではゲリラ戦やスパイ戦など“裏の戦争”が続いていた……。1944年晩夏。大本営が下した遊撃隊の編成命令を受け、42名の陸軍中野学校出身者が沖縄に渡る。彼らは身分を隠し、沖縄の各地に潜伏。ある者は偽名を使い、学校の教員として離島に配置された。そんななか、エリート青年将校たちは、まだ10代半ばの少年たちを“護郷隊”として組織し、秘密戦のスキルを教え込む。銃を持ち故郷の山に籠って米兵たちを翻弄する少年ゲリラ兵部隊。やがて始まるマラリア地獄、スパイ虐殺……。陸軍中野学校による秘密戦の謎が明らかになっていく。