音楽家として行き詰まったバイオリニストのシモン(カド・メラッド)は、パリ19区の小学校へ音楽教育プログラムの講師としてやってくる。気難しくて子供が苦手なシモンは、6年生の生徒たちにバイオリンを教えることになるが、楽器に触れたこともないやんちゃな彼らに音楽を教えるのは至難の業で、たちまち自信を喪失する。しかし、クラスの中でただ一人、バイオリンの才能を持った少年アーノルド(アルフレッド・ルネリー)との出会いがシモンの人生を変える。アーノルドの影響もあり、感受性豊かな子どもたちは音楽の魅力に気づき、演奏することに夢中になっていく。ときには練習中にケンカになったり、他校との合同練習で赤っ恥をかいたり、失敗を重ねながら子どもたちは成長していく。そんな彼らに向き合うことで音楽の喜びを取り戻したシモンは、一年後に開かれるフィルハーモニー・ド・パリでの演奏会を、子どもたちと一緒に目指していく。