無口で不器用な会社員・澤田(山中アラタ)の妻(小原徳子)は、不妊症をきっかけにうつ病になり、そんな彼女を献身的に支える澤田も徐々に精神を病んでいた。そんな折、海外の企業から岸本(児玉拓郎)という男が同期として転職してくる。澤田は自分とは対照的に自信満々の岸本と親しくなるが、徐々に岸本の暴力性や猟奇的な一面を見てしまい、恐怖感を抱くようになる。だが、その一方で、彼の危険な魅力のあるカリスマ性に惹きつけられていく。「もっと本能に忠実になれ」と岸本に吹き込まれた澤田は心が揺れ、自分と同じく家庭に悩みを抱える女性社員・美奈子(百合沙)と不倫関係となる。しかし、美奈子は社内での自分の立場を守るために、澤田から迫られたと吹聴する。美奈子に裏切られ、絶望した澤田は、自分のなかに眠る狂気的な一面を解放していく……。