約550万人の人口に対して約300万個のサウナがあるというサウナの本場・北欧フィンランド。熱くなったサウナストーンに水がかけられると、ジュワっという音とともに、サウナにロウリュ(蒸気)が立ち上がる。男たちはロウリュに包まれながら、継父からの虐待、犯罪歴のある昔の自分、離ればなれになった娘、止められなかった職場での事故、先に逝った妻や幼い娘の話など、これまで語ることができなかった人生の悩みや苦しみを吐き出す。そして、子どもが生まれた喜び、かけがえのない“親友”との友情、老いてからの出逢い、祖父が薪に込めていた祖母への愛など、大切な人への想いが溢れ出す。サウナはどんな人にでも平等な場であり、汗と一緒に涙を流して自分自身を取り戻し、語り合った者同士の絆を強くさせる。癒しやデトックスだけでなく、人とのつながりを感じる場としてのサウナの魅力を再発見する。