川崎信吾(長渕剛)は、神技的な腕を持つ大工の棟梁。普段は強面風だが、実はやんちゃな上に人情に厚く、現場で木と向き合えば、職人気質なオーラを放つ男だった。しっかり者の妻・美沙希(飯島直子)と年頃の娘・柑奈(山口まゆ)に囲まれて幸せな生活を送りながらも、少々女性に弱いのが玉に瑕。そんなある日、いつものように弟子の入江たちと現場で仕事に励んでいた川崎は、通りかかった女性に目を止める。それは、保険会社の営業ウーマン、池田芽衣(広末涼子)。独身かと思えば、実は芽衣は、龍生(潤浩)という幼い息子を持つシングルマザーだった。父親を知らずに育った龍生が気になり、“俺が男にしてやる!”とばかりに意気込む川崎。だが、半ば強引な川崎に、龍生はなかなか懐いてくれない。それでも何とか、徐々に男同士の触れ合いができるまでに心を開いていく。そんな折、川崎はこの親子に家を建てようと思い立つ。だが、川崎の家族と一番弟子の高史(瑛太)は、その様子に納得がいかない。周りの不穏な空気を気にも留めず、家作りに没頭する川崎だったが、その前に突然、龍生の父と名乗る男が現れる……。