元競泳選手の海堂航平は、共働きの妻、そして高校生の娘と平凡な日々を過ごしていた。だがある日、妻から突然、離婚届けを突きつけられる。酒に溺れ、新宿二丁目に辿り着いた航平に待っていたのは、美少年の悠嵩との運命的な出会い。悠嵩は、チャットボーイをする傍らアニメ作家を目指していたが、病に倒れた父親に自分がゲイであることを告白できず、思い詰めていた。2人は戸惑いながらも、いつしか性の垣根を超えて惹かれ合い、やがて肉体を交えるようになる。時に愛し合い、時に傷つけ合いながら、関係を深めてゆく航平と悠嵩。2人の憩いの場は、ニューハーフのプリシラがママを務める“ラパス・カフェ”。航平は、この店に集う様々な背景を持つ人たちと触れ合いながら、自分の“性”の価値観に葛藤し、“愛とは何か”思い悩み始める。一方、悠嵩は初恋の相手・アツシと再会したことをきっかけに、元来ストレートの航平とは相容れないことに気付いていく。その折、航平の大切な相談相手であるプリシラが倒れてしまい……。