イギリス南部に浮かぶワイト島の田舎町で、ポーランド移民の娘である17歳のヴァイオレット(エル・ファニング)は母親のマーラ(アグニエシュカ・グロホウスカ)と暮らしている。父は彼女が幼い頃に家を出ていき、学校の友人も少なく、孤独な日々を送っていた。内気な彼女の唯一の心の拠り所が、音楽だった。バイト先のパブのステージで歌っていたところ、パブで飲んでいたクロアチア出身で元オペラ歌手のヴラド(ズラッコ・ブリッチ)の耳に留まり、ヴラドの言葉に少しだけ勇気づけられる。ある日、国際的人気を誇る公開オーディション番組『ティーンスピリット』の予選がワイト島で開催されることを知ったヴァイオレットは、歌手になる夢をつかむため、自らの歌声ひとつでオーディションに挑む決意をする。