かつてテレビは街頭で、そしてお茶の間で、ダントツの人気者だった。豊かな広告収入を背景に、情報や娯楽を提供する民間放送は、資本主義社会で最も成功したビジネスモデルの一つだった。しかし、その勢いは今や過去のもの。“テレビは見ない”と公言することがクールだった時代を通り越し、今やテレビを持たない若者も珍しくない。マスメディアの頂点でジャーナリズムの一翼を担ってきたテレビが、“マスゴミ”と揶揄されるようになって久しい。これは市民社会の成熟か、あるいはメディア自身の凋落か。今、テレビで何が起きているのか?「ホームレス理事長」「ヤクザと憲法」のクルーが、自社の報道部にカメラを入れた。テレビの現場は日々何に苦悩し、何を恐れ、どんな決断を迫られているのか。果たして、テレビに存在意義はあるのか……?