東京に程近い北関東のとある街。デリヘルで働く優樹菜(鎌滝えり)は、実の母親・妙子(有森也実)と義父・辰郎(村上淳)、辰郎の連れ子で中学二年生の稔(杉田雷麟)と暮らしている。酒に酔った辰郎は、妙子と稔には暴力を振るい、優樹菜には性暴力を繰り返したが、妙子はなす術なく見て見ぬふりだった。稔は父と母に不満を持ちながら、優樹菜に淡い想いを抱いていた。優樹菜の勤務先・ラブラブ48の運転手・貞夫(川瀬陽太)は重度のギャンブル依存症で、中学二年生の一人息子・洋一(椿三期)をほったらかし、いつも深夜に帰宅していた。洋一は暗く狭い部屋で、帰ることのない母を待ち続けていた。稔と洋一は同じ学校に通い、もとは仲が良かったが、洋一は稔のグループからいじめの標的にされていた。ある日、家の中でデリヘルの名刺を拾った稔は優樹菜の仕事に疑問を抱き、自分も洋一のようにいじめられる側になるのではないかと怯えるようになる。居場所を失った稔と洋一、そして優樹菜は、ある行動に出る……。