国有企業の工場に勤めるヤオジュン(ワン・ジンチュン)とリーユン(ヨン・メイ)夫婦は、ひとり息子シンシンと中国の地方都市で幸せに暮らしていた。同じ工場の同僚であるインミン(シュー・チョン)とハイイエン(アイ・リーヤー)夫婦には、偶然にも同じ年の同じ日に生まれた息子ハオがいた。両親たちは、お互いそれぞれの子の義理の父母としての契りを交わし、息子たちは兄弟のように成長していく。そんな折、リーユンは第二子を妊娠。だが、“一人っ子政策”が進む当時の中国では二人目を産むことはできなかった。さらに、リーユンは手術時の事故で二度と妊娠できない身体になってしまう。ある日、ハオは川で遊ぼうとシンを誘うが、泳げないシンは頑なに拒む。怒ったハオはシンを残して一人で仲間たちのもとへ行ってしまうのだった。やがて、日が沈みかけた頃、数人の大人たちが必死の様子で川にやってくる。ハオは、体を震わせながら真っ青な表情で大人たちのその姿を見ていた……。大切なひとり息子を事故で失い、乗り越えられない悲しみを抱えたヤオジュンとリーユン。そんなふたりは、住み慣れた故郷を捨て、親しい友と別れ、見知らぬ町へと移り住む……。