2015年に発生したインドネシアの熱帯雨林火災は、広大な面積を焼き尽くすインドネシア史上、最悪の環境災害となった。その直接的な結果として10万人以上が死亡、50万人以上が煙霧により長期的に苦しむほど。この火災が、パーム油のプランテーションのための広大な土地を確保することを目的に、意図的に引き起こされたことは公然の秘密となっている。パーム油は、ほとんどの既製食品やスナックに利用されるなど、世界で最も広く使用されている有益で安価な脂肪分を含む原料である。2009年の映画「プラスチック・プラネット」などで知られるドキュメンタリー映画監督のヴェルナー・ブーテは、このスキャンダルの真実を探るため、話題の言葉“サステナビリティ”(=持続可能性)の裏側を読み解く旅に出る。パートナーは、企業に挑戦的なことで知られるジャーナリストで作家のカトリン・ハートマン。グリーンウォッシングの専門家である彼女は“元々熱帯雨林だった場所で作られたパーム油がサステナブルであることはあり得ない”と主張し、企業が“サステナブル”、“環境に優しい”と宣伝する商品の実態が正反対である事実を暴く。ブーテ監督とハートマンは、オーストリアのスーパーマーケットから旅を始め、インドネシア、ブラジル、米国、ドイツなど、グリーンウォッシングの裏側で行われる甚大な環境破壊の現場を訪ね歩く。そして“エコの嘘”の被害者やNGO、“嘘はついていない”と主張する企業の当事者たちと面会し、世界で何が起きているのかを明らかにしていく。