高校時代に一目惚れをして結婚したラファエル(フランソワ・シヴィル)とオリヴィア(ジョセフィーヌ・ジャピ)は結婚10年目を迎える。小説家を目指していたラファエルは、子どもたちに人気のベストセラーSF作家になっていた。一方、オリヴィアは小さなピアノ教室を開きながら、ピアニストの頂点を目指している。ある日、仕事のことばかり考えているラファエルとのすれ違いの生活に孤独を感じていたオリヴィアは我慢の限界に達し、ラファエルに想いをぶつけるが、大喧嘩になってしまう。翌日、ラファエルは人気作家の特別授業として中学校を訪れるが、出会う人々の様子がおかしいことに戸惑う。そこでのラファエルは卓球に熱を上げるしがない中学校の教師で、オリヴィアは人気ピアニストとして活躍しているもう一つの世界に来ていたのだ。そして、その世界のオリヴィアは、ラファエルのことを知らなかった。自分にとってオリヴィアがすべてだと気づいたラファエルは、もう一度オリヴィアと愛し合うことで元の世界に戻れると信じ、彼女に近づく。二人は少しずつ心を通わせるが、オリヴィアは長年公私共に歩んできたパートナーと婚約することに。そこでラファエルはある重大なことに気づく。“恋”しか知らなかったラファエルは、オリヴィアの幸せをいちばんに願う“愛”の決断を下す……。