ダンサーを夢見たが、人間関係や借金問題に疲れ、38歳のときにホームレス生活をするようになった西篤近。一度は死も考えた彼だったが、ある日、路上生活者や路上生活経験者だけで構成されたダンスグループ“新人Hソケリッサ!”と出会う。そこには西と同じように、全てから逃げてきた小磯松美、メニエール病を抱える横内真人、父親の暴力に苦悩した平川収一郎など、人生の辛酸をなめた仲間たちがいた。そんな彼らはみな明るく、どこかユーモラスでもあった。グループの主宰者は、振付師のアオキ裕キ。あらゆるものを捨ててきたからこそ、唯一残された原始的な身体から人間本来の生命力溢れる踊りが生み出されるのだという。人生からすべてをそぎ落とした彼らは、生きるために舞う……。