長年出版社に勤める小田光男(小木茂光)は、特に出世しないまま53歳になり、妻子に逃げられ、中年クライシスのただなかにいる。倉庫への配置転換を言い渡されお先真っ暗になってしまった彼は、気分転換に一人旅に出たところ、偶然大学の先輩である斎門(工藤俊作)と10 年ぶりに再会。若い頃モデル事務所を立ち上げ順風満帆な人生を送り、羨ましくも妬ましい存在である斎門にすっかり感化され、小田は退職し翻訳出版会社を立ち上げる決意をする。独り身の寂しさも相まって斎門と連れ立ち毎晩のようにクラブ通いをするうちに、クラブ・クレオールのホステス、瞳(出口亜梨沙)と出会う。瞳はソムリエを目指して専門学校に通っており、夜の女に似つかわしくない彼女に小田は年甲斐もなく夢中になっていった。一方仕事面では、斎門の部下でバイリンガルの雅美(佐々木心音)が新会社に協力してくれることに。昼間は雅美と取引先へ挨拶回り、夜は瞳に会うためクレオールへ顔を出し、恋も仕事も好転したかに思えた。しかし会社の運営は予想以上に出費がかさみ、その分を補うため仕事に励めば今度は瞳と会う時間がとれなくなる。悶々とした日々を過ごす小田は、取材旅行先でつい雅美と一夜をともにしてしまい、瞳のことが気になりつつも雅美と付き合い始める。そんな中、瞳がついにソムリエの試験に合格し、小田は斎門やクレオールのママらを呼んでお祝いパーティを開催。久しぶりに瞳との楽しい時間を過ごすうちに、雅美と小田の関係を知らない出席者たちが気を利かせて小田と瞳を残してその場を後に。瞳と二人きりになり小田は思わず彼女をベッドに押し倒したものの、やんわりと断られてしまう。さらに雅美が、小田と瞳のベッドでのツーショット写真を見つけてしまい、彼のもとを去っていく。またひとりになった小田は、がむしゃらに仕事をこなすが……。